質問:「主人が立ち会うのを嫌がるのですが、立ち会わなくても大丈夫ですか? 」
回答:
私の出産体験記でも分かると思いますが、こちらの医療システムで出産する場合、ご主人の立会いなしではとても心細いです。嫌がるのならどうしてなのか聞いてみましょう。
もしご主人が血液を見るだけで倒れそうとおっしゃるのなら、出産シーンの見えにくい産婦さんの頭側で手を握ってくれてるだけでも心強いです。ご主人が出張などでどうしても立ち会えないのであれば、日本から家族を呼び寄せたり、仲のよい友達に立会いを頼むのもいいでしょう。
お友達が立ち会ってくれるのなら、ある程度強い陣痛が来るまでに自宅まで来てもらい、病院まで一緒に行ってもらいましょう。 たとえタクシーを呼んだとしても病院への手荷物をご自分だけで運ぶことは難しいと思います。
質問:「カナダは日本より入院期間が短いようですが、問題はないのでしょうか? 」
回答:
そうですね、日本は膣分娩で初産の平均入院7日間、経産5日間です。 カナダでの膣分娩は初産・経産共に自分でトイレに行けるようになってから24時間で退院が可能です。
後は産婦さんの体調や産んだ時間、医者次第で入院時間が延びたり縮んだりします。
私達カナダに住んでいるものは医療費用を政府が負担してくれているので、日本のように長期入院とはいかないのが現実です。
通常奥さんが入院中はご主人にも入院を半強制させたり母子同室にするのも、看護婦の仕事を切り詰め医療費負担を少なくするためです。
入院日数が少ないのも同じ理由です。
*参考までに2013年03月で、ウーマンズ病院で産後滞在すると一泊基本料金がCAD$500、シンプルなお産にかかる費用がCAD$5000です。
シンプルとは誘発剤、痛みを抑える薬、IV等も一切使わない自然なお産のことです。 ここでの一泊とは、午後11時に入院して日にちが替わる12時までの1時間も一泊と考えます。
では短い入院をカバーするために、カナダではどんなサービスが退院後あるでしょうか?
退院翌日コミュニティーナースが自宅訪問し、経産婦さん・赤ちゃんの健康管理をしてくれますね。
もし赤ちゃんの体重が生後から下がり続けるようであれば、上がるまでナースが毎日訪問してくれます。
他にもこのようなチェックをコミュニティーナースはしてくれてます。
- お母さんの体温・血圧・脈を計り、便・尿があったか聞きます
- 帝王切開をしたお母さんの縫った切り口の確認
- 会陰が切れていて直りが気になる場合は、リクエストすればチェックします
- 赤ちゃんの体重が上がらない場合、授乳の間隔、あげ方の指導があります
- 赤ちゃんに黄疸が出てないか確認します
- 赤ちゃんの寝方を確認します(カナダでは仰向け寝が規則)
- 赤ちゃんにビタミンDを毎日1mg与えるよう伝えます
- 家の中の適度な室温チェック、赤ちゃんの服装、お母さんが赤ちゃんに洋服を着せる仕方(無理やり腕を袖に通してないか)
- お母さんの心の変化(ホルモンバランス、ご主人との関係、産後ブルーにかかっていないか等をそれとなく聞いたり、窺います)
- お乳は出ているか
- お風呂の入れ方、お乳のあげ方をこの時確認できます(必要な方は聞きましょう)
- 悪露の確認
- 子宮の回復具合
気になることはメモし、ナースにすぐ答えがもらえるようにしておくと安心です。
カナダで産後ケアーを維持するには、次のどれか1つが守れればいいでしょう。
- 産後一ヶ月ご主人に仕事を休んでもらい、家事一般を手伝ってもらう
- ご主人がどうしても長期休暇取れない場合、不足分を日本の家族・親戚もしくは義理の家族にお願いする
- 上記2つのうちどちらも無理な場合、現地(カナダ)で家事手伝をしてくれる方を個人的に探す
自分は体力に自信があるからと、産後ケアーを怠り頑張りすぎないよう注意しましょう。
代々受け継がれてきた伝統産後ケアーをご紹介します
- 冷たい水に手をつけないでください
- 風邪に当たらないでください
- お風呂、シャワーはできるだけ入らずせめて3日待つといいでしょう
- 特に髪の毛を洗うのは伸ばし伸ばしにしてください
- 食事は体を温める食材を選びましょう(寒い地方で採れる野菜、果物)
- 産後1ヶ月は上げ膳据え膳
- 本を読んではいけません
- 昔にはないものですが、インターネットを長時間(使用時間30分以内に!)使用するのも禁物です
- 赤ちゃんが自分の体から出ると、経産婦の体温が1度下がります。冷えには十分気をつけてください。